梅の枝づくり  2006.11

小品盆栽の梅を購入し花を楽しんだ後、春新芽が吹かず枝が半減してしまった、という話を聞きます。樹形を小さくつくるには枝を追い込まなければなりません。ただそこで、枝を追い込む場合注意が必要です。

1、芽はその年伸びた枝の葉柄の付け根にできます。芽には花芽と葉芽があります。葉芽の場合は一ヶ所に1個ですが、花芽の場合は1〜3個つきます。花芽と葉芽が一ヶ所に並んでつく場合もめずらしくありません。枝づくりにはこの場合の方がありがたいわけです。
2、そこで枝づくりの場合、葉芽の有無を確認しなければなりません。葉芽を残さなければ翌年その枝は枯れて無くなります。葉芽と花芽の区別は落葉期にはその大きさではっきりわかります。葉芽を残しながら枝を切り込めば良いわけです。

ただ、品種によっては花芽ばかりできすぎて葉芽が枝先にしかなく、切り込みができない場合があります。これでは小品盆栽として樹形維持もできず、小枝づくりもできません。そこで、枝づくりする方法をいくつかご紹介します。

第一は葉刈りです。葉刈りすることでもう一回芽を吹かせ、花芽をつくらせない方法です。一般に花芽は6月頃につくられます。その前に葉刈りすれば、二番芽が吹き出し花芽ができなくなります。 
第二は新梢の元の葉を落とす方法です。伸び出した各枝の元部分に葉芽があれば、枝の切り込みがしやすく枝は間のびしません。 新梢の伸び出した5月頃、各枝の元部分の2〜3節の葉を切り落とすことで、そこに葉芽をつくり易くするわけです。ただ、確実に葉芽になるという方法ではありません。
第三の方法は矮化剤の散布です。使用することに抵抗のある方も多いと思いますのでお奨めはしませんが、新梢の伸びが抑えられ、枝の間のびも防げます。ただ生長が抑えられ、逆に花芽がつきやすくなる傾向はあります。

実生の梅は小さくても小枝がよくでき、やさしい樹形になります。これは枝が細く花芽がつかないからです。甲州野梅がなぜあのように小枝が美しいのかといえば、30年40年と花芽をもたないからです。花芽をつくらせない枝づくりという意味では、第一の方法が近いかもしれません。実践してみてください。

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